出会いに対して、怖さを感じるようになったのは、いつからだったのだろう。
恋をしたい気持ちは確かにある。誰かと心を通わせたい、温度のある時間を分かち合いたい。
それなのに、心のどこかで無意識にブレーキを踏んでしまう自分がいました。
「また同じように傷つくかもしれない」
「期待して、何も得られなかったらどうしよう」
この記事は、そんな気持ちを抱えた私が、出会う勇気をもらえた日までの心の変化をたどったストーリーです。
同性愛者であること、男性に恋愛感情を持てないこと、年齢を重ねる中で感じる不安や諦め。
同じように立ち止まっている誰かが、「それなら私も、ほんの一歩だけ…」
そう思えるきっかけになれば嬉しいです。
【導入・きっかけ】
出会いが怖くなっていた私
若い頃は、出会いに対してここまで身構えることはありませんでした。
恋をすることも、誰かに惹かれることも、もっと自然で、もっと衝動的だったはずです。
それがいつからか、出会い=期待と不安がセットになり、楽しいよりも先に「怖い」が浮かぶようになっていました。
40代になった杏奈のように、見た目は若く、仕事も安定していて、周囲からは「出会いには困らなそう」と言われる。
けれど実際は、誰にも言えない孤独を抱えている。
「この年齢で、今さら恋を探すのはおかしいのかな」
「私の事情を、ちゃんと受け止めてくれる人なんているのかな」
そんな問いが、心の中で何度も繰り返されていました。
恋から少し距離を置いていた理由
恋が嫌いになったわけではありません。
ただ、過去の経験が、慎重さを教えてくれただけでした。
うまくいかなかった関係、言葉にできなかった違和感、分かってもらえなかった想い。
特に、同性愛であることや、
男性に興味を持てない自分を説明する場面では、
「理解されないかもしれない」という恐れが常につきまといます。
久子のように60代になると、「今さら恋なんて」
「もう十分生きてきたでしょう」
そんな言葉を、自分自身に向けてしまうこともあります。
でも本当は、
年齢を重ねても、人は誰かと心を通わせたい生き物なのだと思います。
「もう期待しない」と決めていた頃
期待しなければ、傷つかなくて済む。
そう考えて、恋に対する気持ちをそっと心の奥にしまい込んだ時期がありました。
日常は穏やかで、仕事も生活も大きな不満はない。
それなのに、夜ふと一人になったとき、「このままでいいのかな」と小さな声が聞こえる。
その声を無視するように、忙しさや現実的な理由で自分を納得させていました。

【行動・変化】
小さな一歩を踏み出したきっかけ
大きな決意や、人生を変える覚悟があったわけではありません。
本当に些細な、きっかけでした。
誰かの体験談を読んだとき、「この人も不安だったんだ」と感じた瞬間。
その共感が、心の奥に残ったのです。
「出会いは、準備が整った人にだけ訪れるものじゃない」
そんな言葉が、ふと浮かびました。
不安だらけでも動いてみた理由
もちろん、不安は消えませんでした。
知らない人と話すこと、自分の背景を伝えること、期待して裏切られる可能性。
それでも、「動かないまま後悔するより、 動いてみてから考えたい」
そう思えたのです。
無理に理想を描かず、「合わなければやめてもいい」「途中で引き返してもいい」
そう自分に言い聞かせました。
それでも挑戦しようと思えた瞬間
出会いの場として、婚活サイトやマッチングサービスは、今では珍しいものではありません。
中でも、
落ち着いた年齢層が多く、人生経験を尊重する雰囲気があるマリッシュや、自分のペースで関われるハッピーメールを知ったことで、「選択肢は一つじゃない」と感じられました。
完璧な勇気ではなく、「逃げ道がある安心感」。
それが、私に出会う勇気をもらえた理由だったのだと思います。
【出会いの瞬間】
偶然のようで必然だった出会い
実際の出会いは、とても静かなものでした。
ドラマのような展開も、
一目で恋に落ちるような衝撃もありません。
ただ、
言葉のテンポが心地よく、沈黙が苦にならない。
「この人と話す時間、悪くないかもしれない」
それが、最初の正直な感想でした。
初めて話したときの正直な気持ち
緊張はしていましたが、不思議と自分を大きく見せようとは思いませんでした。
お互いの生活や、大切にしている価値観を少しずつ話す中で、「理解しようとしてくれる姿勢」が伝わってきたのです。
同性愛であることも、重くならずに受け止めてもらえた瞬間、胸の奥に溜まっていた緊張が、少し溶けました。
「この人かもしれない」と思った理由
決定的な出来事があったわけではありません。
ただ、
「このまま話し続けてもいい」
「また話したい」
そう自然に思えたこと。
恋は、
激しい感情よりも、静かな安心感から始まることもあるのだと知りました。
【気づき・メッセージ】
出会いは、勇気を出した人にだけ訪れる
振り返って思うのは、出会いそのものよりも、一歩踏み出した自分がいたことの大切さです。
完璧な準備も、自信に満ちた状態も、必要ありませんでした。
「出会う勇気をもらえた」のは、誰かから与えられたものではなく、自分自身が自分に許可を出した瞬間だったのかもしれません。
完璧じゃなくても恋は始まる
年齢も、過去も、不安を抱えたままでも、恋は始まります。
大切なのは、無理をしないこと、自分を否定しないこと。
趣味を楽しんだり、楽天で気になっていたアイテムを揃えたり、自分の機嫌を取る時間を大切にすること。
それも、心の余裕につながる大切な一歩です。
あの時の私に伝えたいこと
もし、あの頃の自分に声をかけるなら、こう伝えたいです。
「怖くてもいい。
不安なままでもいい。
それでも、一歩だけ動いてみて」
出会いは保証されたものではありません。
それでも、動いた先にしか見えない景色があります。
今、迷っているあなたにも、いつかきっと、出会う勇気をもらえた日が訪れることを、心から願っています。