第1章:出会いのきっかけは“偶然”から
同じ趣味のサークルで出会った
あの日の午後、私はいつものように地域の写真サークルへ向かっていた。
小さな町の文化センター。春の風に乗って、桜の花びらが舞っていた。
「写真を撮るのは、風景を切り取ることじゃなくて、心の中の景色を写すことなのよ」
そう教えてくれたのは、サークルの講師でもある年配の男性だった。
その言葉を聞きながら、私は少し離れた席に座る女性に目を留めた。
落ち着いた雰囲気で、少し寂しげな横顔。
それが、杏奈さんとの最初の出会いだった。
彼女は40代後半。仕事帰りのようなスーツ姿で、少し疲れて見えた。
けれど、カメラを構える姿は真剣で、そのまなざしがまっすぐで――美しかった。
いつの間にか、私は彼女の隣に座るようになっていた。
気づけば、いつも同じ角度で写真を撮り、同じタイミングで笑っていた。
「光の中にいると、気持ちが穏やかになりますね」
そんな小さな会話が、私の中で特別な響きを持っていった。
Photojoy ― 自然な笑顔を撮ってもらうことで、自分を新しい目で見つめ直せる。
心の景色を写すようなフォト体験が、あの日の私たちを近づけた。
マリッシュ ― 落ち着いた年齢層の人が多く、静かな縁を大切に育てられる出会いの場。
第2章:心が惹かれていく自分に戸惑う
いつの間にか、私は杏奈さんを目で追うようになっていた。
彼女が笑えば、胸の奥が少し温かくなる。
ふとした沈黙のときには、その表情を思い出してしまう。

「なぜ、こんなに気になるのだろう」
その問いが、何度も心の中で繰り返された。
女性同士なのに――。
そんな言葉が浮かんでは、すぐに消えていった。
若い頃は、恋をするときめきとともに心が走り出した。
けれど、この年齢になって芽生えた想いは、もっと静かで、もっと深かった。
焦がれるというより、そっと灯る小さな明かりのようだった。
彼女といる時間が、心地よかった。
ただそれだけで十分だった。
その感情に名前をつけるのは、まだ少し怖かった。
第3章:少しずつ育っていった信頼と優しさ
夏が近づく頃、私たちは自然と一緒に出かけるようになった。
カフェで写真を見せ合ったり、公園でベンチに座っておしゃべりをしたり。
杏奈さんは、過去の恋の話を少しだけしてくれた。
「若い頃は、人を好きになることが怖かったんです」
その言葉に、私は何も言えなかった。
ただ、「そういうときも、ありますね」と微笑んだ。
少しずつ、心の距離が縮まっていった。
私もまた、自分の昔の話をした。
仕事ばかりだった日々。家族を支えることに精一杯で、気づけば一人で年を重ねていたこと。
その話を聞いて、杏奈さんは静かに頷いた。
「久子さん、優しいですね」
たったそれだけの言葉が、心の奥に灯りをともした。
楽天セレクト ― 香りや小物など、“心を整える”アイテムを取り入れて。
「お気に入りの香水をつけると、少しだけ若い頃の自分に戻れる気がした」
第4章:恋心を受け入れる勇気
秋の風が少し冷たくなった頃、私はようやく気づいた。
彼女を想うこの気持ちは、友情ではなく――恋なのだと。
彼女の笑顔を見たい。
彼女の幸せを願いたい。
そのすべてが愛おしかった。
けれど、怖さもあった。
もしこの気持ちを伝えたら、彼女は離れてしまうかもしれない。
年齢も、性別も、社会の目も関係なく、ただ「人を想う」ということが、こんなにも勇気のいることだなんて。
それでも私は、もう隠せないと思った。
「自分の気持ちに正直でいたい」
その想いが、私を少しずつ変えていった。
ミライカラーズ ― 自分らしい恋を大切にできる場所。
「誰かを想うことに、間違いなんてない」と教えてくれる。
第5章:恋の始まりは静かに、でも確かに
冬の初め、街に灯りがともる頃。
ふたりで写真展を見た帰り道、冷たい風が頬をなでた。
「手、冷たいでしょう?」
杏奈さんがそう言って、私の手を包んでくれた。
その瞬間、世界が少し変わった。
イルミネーションの光が、ぼんやりと滲んで見えた。
言葉はなかったけれど、互いの手のぬくもりが、すべてを語っていた。
あの夜、私たちの恋が静かに始まったのだと思う。
ハッピーメール ― 気軽に話せる場所から、温かなつながりが生まれることもある。
「初めは小さな会話だった。でも、そこから始まる出会いもある。」
第6章:出会いが教えてくれたこと
春がまた巡り、サークルの花壇には新しい花が咲いた。
杏奈さんと一緒に写真を撮りながら、ふと感じた。
「人生って、いくつになっても新しい出会いがあるんだな」と。
年齢を重ねた今だからこそ、優しくなれる恋がある。
無理をせず、見栄を張らず、ありのままの自分でいられる恋。
それが、私たちの関係だった。
女性同士の恋は、静かで、深い。
“好き”という気持ちは、いくつになっても新しい。
この想いが、これからの私の人生を照らしてくれる。
出会いに偶然はない。
すべては、必要なときに訪れる必然なのだと思う。
マリッシュ ― 人生の後半にも、誰かと心を通わせるチャンスがある。
「彼女との出会いが、そのことを教えてくれた。」
あとがき:
恋は、年齢に関係なく訪れる。
若い頃のように激しく燃える恋ではなく、
心の奥にそっと差し込む陽だまりのような恋。
60代になって初めて知った。
愛とは、「誰かと共にいること」そのものなのだと。
そして、もう一度人を好きになれることは――人生からの贈り物なのだと思う。